写すことが苦手な子は、学校や家庭で困っています。黒板の文字を写すとき。家で宿題をするとき。
「写すのが遅い!」
「ゆっくり書きすぎ!」
などと言われることもあるかもしれません。
本人は、早く写しているつもりです。次第に自信をなくしていくもとも。
文字を写すことは家庭でも簡単に練習できます。
今回は、文字を写すことが苦手な場合の対処法と具体的な練習方法についてまとめます。
板書を書き写すのが苦手な子供の様子
小学校で必ずといっていいほど必要な作業が、黒板の字をノートに写すという作業です。先生が黒板に書いた文字をノートに写します。大人は誰でも経験がありますよね。
でも、この時間が苦痛に感じている子がいます。写すことが苦手な子供です。学校や家庭で、こんな様子は見られませんか?
・何度も黒板とノートを交互に見ている
・写すのに時間がかかる
・なかなか文字を写せない
・写した文字に間違いが多い
・ノートがグチャグチャで整理されていない
学校で先生が気づく場合が多いですが、家庭でもよく観察していると当てはまることがあるかもしれません。
文字を写すことが苦手な場合、主な原因として次のようなものが考えられます。
・動作が遅い
・文字を書くのが遅い
・目を上手に動かせていない
・短い時間に記憶する力が弱い
・目と手の動きが合わない
・よく見えていない
・発達障害の可能性
・漢字を読めていない
まとめると、「見ること」と「書くこと」がスムーズにいっていないことが原因の一つです。
発達障害は脳の機能の障害です。発達障害の場合は、専門機関への相談が必要です。より細やかな練習になります。
また、漢字が読めていない場合は、まずは漢字の読み方の基本から練習する必要があります。小学生にとって漢字は音読みや訓読みがあり難しいものです。詳しくはこちらで説明しています。
>>漢字の音読み・訓読みのちがいは?見分けるコツと例
原因はいろいろ考えられますが、まずは、これから紹介する対処法をお試しください。
文字を写すこととは
文字を写すことを『視写』と言います。
子供は学校で、たくさんの視写をしています。
黒板の文字を写す。
教科書から書き出す。
問題文から書き写す。
文字を目で見て、同じように別の用紙に書くこと、これが視写です。
視写は、トレーニング、つまり練習することによって、今よりも少しずつできるようになっていきます。
文字の視写が苦手な場合の対処法
文字の視写が苦手な場合、対処法がいくつか考えられます。
・視力検査をする
・家庭で写す練習をする
・学校の先生に相談する
そもそも、視力が低く、よく見えていないということもあります。メガネが合っていない場合も同じです。
この場合は、視力検査が必要でしょう。
学校の先生に相談はするべきです。その際、子供の学校での様子を聞くこともできますから。
具体的な文字を写す練習については、これから紹介していきます。
家でできる文字を写す練習方法
家で出来る文字を写す練習方法を2つ紹介します。
1つ目は、写す練習をすることです。特に小学生におすすめなのは、教科書の視写です。ノートに教科書を写していきます。
【教科書の視写の練習方法】
①国語・社会・理科の教科書を準備する
②ノートを1冊準備する
③1日5分間、時間を決めて教科書の文章をノートに写す。
方法は簡単です。この練習に必要なのは根気です。
毎日続けることで、必ず以前よりも写すことは上手になります。しかも、教科書の内容まで覚えていくようになります。一石二鳥の練習方法なのです。
2つ目は、ビジョントレーニングです。見る力を鍛えていく練習方法です。
眼球を動かして見たいものにピントを合わせたり、□や△などの形の違いを意識したり、間違い探しをしたり、いろんな方法で「見る力」を育てていきます。
ビジョントレーニングについては、おすすめの本があります。家庭でコピーして使えるシートも付いています。
どの方法にも共通するのは、「根気よく練習を続けること」です。