【質問】小4の娘がいます。4年生になって算数が難しいと言いはじめました。小3の頃までは、そんなことはありませんでした。気になるのはテストの点数です。よくて80点、ひどいときには50点台になることもあります。娘は、算数は苦手だからしかたないと開き直っています。先生に相談したところ、毎日の予習復習をしていくようにとアドバイスいただきました。現在、しぶしぶ勉強している状態です。このままで大丈夫なのか心配です。
すでに算数の授業についていけていない可能性が大きい
まず算数のテストで50~80点の場合は、勉強したところは理解できていません。
小学校の算数のテストは、平均が80点ほどになるようにつくられています。ですが、現実として理解できている子は90~100点が普通です。ちょっとしたミスをして80~90点といったところだと思います。
50~80点ということは、ちょっとしたミスではありません。大切な内容が理解できていないということになります。
例えば、4年生ではわり算の勉強をします。わり算をひっ算で計算する勉強です。
このわり算のテストでは、主に次の4つのことが分かっているか試されます。
①わり算のしくみがわかるか
②わり算のひっ算ができるか
③あまりのある計算ができるか
④文章を読んでわり算の式がつくれるか
算数が苦手な子の場合、②のひっ算は簡単なものであればできます。①と④は理解できていない場合が多いです。そうなってくると、テストの点数は50~60点になると思われます。
理解できていない状態でも、授業では次の算数の勉強に進んでしまいます。①と④の理解はしないままに…。
すると、どうなるのでしょうか?
やがて、次のわり算の勉強がやってきます。大きな数のわり算や小数のわり算などです。前回のわり算の勉強は理解できていませんから、新しいわり算の勉強も当然のようにできません。ここが算数の怖いところです。理解できていないところがあれば、次の勉強に影響がでてしまうのです。
ではどうすればいいのでしょうか?
理解でいていないところを見つけて、勉強していけば大丈夫です。
それでは、理解できていないところの探し方を説明します。
苦手なところを探し出す方法
小4のお子さんの場合、理解できていないところは小1~小3の算数の勉強の可能性があります。
ですから、現在の4年生の勉強を丁寧に振り返っても、なかなか勉強が進まないことがあります。
苦手なところは、学年を1つ戻って勉強していきます。
先ほどの「わり算」の場合だと、小2のかけ算九九、小3のわり算の勉強を復習します。
教科書があれば、教科書で復習します。すでに処分して無い場合は、書店で問題集を購入しましょう。
実際の問題を解きながら勉強した方が、算数はできるようになります。
復習するところをまとめてみました。
わからないところ(小4) |
復習するところ |
|
小学3年生の算数ではココ! | 小学2年生の算数ではココ! | |
図形の角度と垂直・平行 | 三角形と角 | 三角形と四角形 |
表やグラフ(折れ線グラフ) | 表とグラフ(棒グラフ) | 表とグラフ |
わり算のひっ算 | わり算・あまりのあるわり算 | 九九 |
大きな数のわり算 | わり算 | 九九 |
割合 | 何倍になるでしょう | 文と図と式のかきかた かけ算 |
小数 | 小数のたし算・ひき算 | |
小数のかけ算・わり算 | かけ算のひっ算・わり算 | 九九 |
計算の順序やきまり | 式と計算のきまり | ( )を使った式 |
大きな数とがい数 | 一万をこえる大きな数 | 1000(100)より大きい数 |
面積 | 長方形と正方形 | |
分数 | 分数のたし算 ひき算 | 分数 |
変わり方 | □を使った式 | 図を使った式 |
直方体と立方体 | はこの形 |
例えば、子供が4年生になって分数がわからなかったとします。どこを復習すればいいかというと、小3の分数のたし算と引き算の勉強です。
ここもわかっていない場合、小2の分数の勉強を復習します。
割合がわからなかったとします。そういうときには小3の「何倍になるのか」という勉強を復習します。
ここも理解できていない場合、小2の文と図と式の勉強を復習します。
わからないときには、わからなくなってしまった原因があります。どこかでつまずいているのです。
どこでつまずいたのか。どこからわからないのか。丁寧にたどっていけば、やがてすっきりと理解できるようになっていきます。
理解できたのであれば、次は練習です。
算数で「わかった」と感じても、いざ違う問題を解いてみるとできないということは、実はよくあります。これは練習不足です。
いろんな問題が解けるようになるには、練習が絶対に必要です。
学校のドリルや購入した問題集で練習するようにしてください。
できるようになれば得意に変わる
計算できるようになれば、テストでいい点数がとれれば、苦手意識はなくなります。
むしろ得意と感じるようになるでしょう。
算数は、どこかでつまずくと、それ以降の勉強ができなくなる教科です。普段から理解できているか親がチェックして、苦手教科にならないようにしていくことが大切です。
学校のテストは、子供の理解度を知る手がかりです。「今回は90点でよかったね。」「60点で悪かった。復習しなさい。」と声をかけて終わるのではなく、どこでつまずいているのか。ただの計算ミスなのか。間違いの内容を親が見るために使うようにしましょう。
子供がテストを持ち帰ったとき、学びのチャンスに気づかせてあげましょう。