気持ちを伝えることは、基本的に簡単なことではありません。子供も大人も同じです。
特に小学生にとって、自分の気持ちを伝えることは「難しい!」と感じてしまう子が多いようです。
子ども同士のトラブルも、自分の気持ちをうまくつたえることができなかったことが原因の場合が多いです。
では、気持ちを伝えることって、自然と上手になっていくのでしょうか?
結論から言えば、小学生の場合は、そのまま放っておいても上達は難しいです。
もちろん、様々な経験を積んでいきますから、その子なりの成長はあります。でも、「気持ちを上手く伝えられるようになる」までのレベルは難しいかも。
親にとっては、すごく気になるところですよね。もっと自分の気持ちを伝えればいいのにと思ってしまいます。
今回は、自分の気持ちを伝えることが苦手な小学生のお子さんが、少しでも気持ちを伝えることができるようになる練習方法をまとめました。
大きな変化はなくとも、ちょっとした成長で子供は自信をつけることがあります。お悩みの方の参考になればうれしいです。
こんな困り事はありませんか?
学校生活で、子供同士のトラブルは、いつ起きるかご存知ですか?
答えは休み時間です。
圧倒的に休み時間のトラブルが多くなります。続いては放課後や登下校中です。
トラブルの原因は、ほとんどが「気持ちのすれ違い」で、気持ちを互いにうまく伝え合えなかったことにあります。これは、長年子供を観察してきて強く感じることです。
気持ちを伝えることが苦手なお子さんは、もしかするとトラブルに巻き込まれることも多いのかもしれませんね。
親はここが一番心配です。
こんな困りごとはありませんか?
・思ったことが言えていない
・作文や日記は苦手
・友達とのトラブルが多い
・うちの子が悪く言われる
・話をすると、黙ってしまう
・普段の会話は大丈夫だけれど、大切なところで言えない
よく見て頂くとわかりますが、これって大人でも当てはまるところがありますよね。
何でもかんでも言えればいいというわけではありませんが、せめて友達とのトラブルや誤解は避けて欲しいところです。
気持ちを伝えることが苦手な原因
気持ちを伝えることが苦手な原因で、最も多いのは“経験不足”です。
「こんな気持ちのときには、こう伝えればいい」ということが、わかっていない場合が多いです。
これは、生活の中で、いろんな経験をしていきながら学んでいくことです。特に学校の授業で教えられるものではありません。
学校では、道徳や国語の勉強で、気持ちを考える勉強をします。自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを聞いたりもします。
ですが、いざトラブルが発生すると、なかなか考えたことや思ったことを伝えるのは難しくなってしまうものなんですよね。
やはり、そこは練習が必要なのだと思います。
伝えることが苦手な場合の対処法!伝える練習方法!
伝える練習は、次のような流れで練習していきます。
【ステップ1】話をよく聞くようにする
【ステップ2】気持ちを書く練習をする
【ステップ3】親相手に伝える練習をする
それでは、具体的に説明します。
最初にしたほうがいいことは、子供の話をよく聞くことです。途中で話をさえぎったり、口をはさんだりしません。ひたすら子供の話だけを聞きます。
途中で「そうだね」「うん、うん」と相づちを打ちながら聞くと、子供も安心して話を続けます。
子供が気持ちを伝える場所をつくりましょう。
次に、もう一つステップをふみます。ステップ2です。
いきなり気持ちを伝えるのが難しいので、まず紙に書いてみたり、簡単な手紙にしたり、文章で気持ちを伝えることから始める方法です。
相手に面と向かって話をするところに最大の壁があります。ですから、まずは紙に自分が伝えたいことを書くようにします。これは家でも練習できます。
学校で友達とトラブルがあったときに、「紙に書いてごらん」と書かせればいいのです。
最初はなかなか書けなくても、2回目3回目と、回数を重ねていけば書けるようになっていきます。
紙に書ければ、次のステップです。
どこがモヤモヤして、何を伝えたいのかを、書いた文章から整理します。ここは親もいっしょに考えてあげましょう。
それではステップ3となります。
仕上げは、親と一緒に整理した伝えたい気持ちを伝える練習です。
いつ
どこで
だれに伝えるのか
ここを親子で確認したら、伝える練習をします。
親が相手役となり、子供が実際にどんな声をかければいいのか練習してみましょう。
「ここまでしなくても…」と思われるかもしれませんが、この最後の仕上げが重要です。
「結局、タイミングがつかめずに言えなかった」となってしまうことは多いのです。
一度でも、この練習で「言うことができた!」という経験ができれば、子供は自信をもちます。
同じようなことがあっても、どうすればいいのか自分でわかるようになっていきます。
ステップ1からステップ2まで、ちょっと面倒で手間がかかる作業ですが、やっていただくとわかります。
少しずつですが、お子さんは気持ちを伝えることができるようになっていくはずです。
地道な練習ですが、がんばってください。
適切な言葉を選べない場合は、表情カードを使う練習もあります。